大阪のうめ吉おおさか撮り歩記

ー139ー 演歌の街

          作詞・平和勝次 作曲・山路進一

夜の宗右衛門町


宗右衛門町ブルースは、先輩ジャズ漫画家にジャケットを描いて貰い、自主制作で500枚をプレス、大阪堺市の有線放送に100枚を預けました。
 それが堺の盛り場から火がつき、次いで北海道函館の有線放送でも評判になります。これをクラウンの宣伝部長が聞きつけメジャーデビューさせます。200万枚の大ヒットで宗右衛門町が全国的に知られることになり、自治会から感謝状が贈られるほどでした。

勝治が宗右衛門町にある居酒屋に通っているうちに、いつしかママの清美が勝治に好意を寄せるようになります。
 勝治は、自分には妻がある身だと話します。それを聞いて清美は悲しそうにうつむきます。
 「もう帰らなくては」勝治は「さよなら」を言って店を出ようとします。
「また、きっと来てね…」そういう清美の目にキラリと涙が光ります。その涙が、次第に溢れます。

「ママ、涙を拭いて」勝治が清美に言います。
「ママって言わないで、清美って呼んで…」
清美が悲しそうに勝治に言います。
「さよなら」勝治はそう言って店を出ます。

「さよなら、また来る日まで…」店を出た勝治が心の中でつぶやきます。
勝治は七色に染まるネオンの街を歩きます。
そんな勝治にも、なぜか涙が…
「可愛いあの娘がうぶなのか」勝治はそう思います。

同時に、清美との出会いが早かったなら。そう思わずにいられませんでした。
街のネオンが消えて行きます。勝治の視界から、うぶなあの娘も消えてゆきます。
なぜか、なぜかさびしい宗右衛門町……
あの娘の後すがた、夜霧に濡れて淋しそうです。

御堂筋

御堂筋のイチョウ並木にも春が来ます。
あの娘にもきっと来る、幸せが……
勝治はひとり自分に言い聞かせます。

なぜか、なぜか淋しい宗右衛門町…
けど、もう一度、もう一度だけでもあの娘の笑顔が見たい。
勝治は、そんな思いで街を歩きます。

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