
ー20ー 露天神社

露天神社正面鳥居
大阪市北区曽根崎2-5-4
鳥居の左側は地名表示のある建物は交番です。
露天(つゆのてん)神社は、1703年(元禄16年)20歳と25歳の男女が情死を遂げた地です。この事実は近松門左衛門氏によって「曾根崎心中」として人形浄瑠璃の素材になりました。
神社は、この女性のお初の名をとってお初天神とも呼ばれています。

露天神社本堂
ここで情死を遂げたのは、堂島新地の天満屋の芸子・お初と
内本町平野屋の手代(使用人、今でいう従業員)の徳兵衛

恋人の聖地
徳兵衛が勤めているのは叔父が営む醤油問屋です。手代と言ってもそんな関係にあったのです。叔父の久右衛門は説徳兵衛に後を継がせようとしていたのです。
ですが、徳兵衛は天満屋の芸子・お初と恋仲になります。

本堂前の顔出しパネル
徳兵衛は江戸に転勤することに。お初は身請けされて田舎へと離れ離れになることに。


絵馬
徳兵衛の叔父でもある醤油問屋の久右衛門は徳兵衛と久右衛門の姪との縁談を勝手に進め、徳兵衛の継母に持参金を納めてしまいます。

結ばれたおみくじ
徳兵衛は、縁談を断り、持参金を取り戻します。
ところが友人に金を貸してくれとせがまれ、その金を貸してしまうのです。友人は後でそんな金は借りていない、ハンコも偽物だとシラを切り世間に言いフラシます。騙し取られたのです。

縁談、義理、金。徳兵衛は八方ふさがりになります。徳兵衛は、自分を育ててくれた叔父の久右衛門に謝罪を述べます。そんな徳兵衛と運命を共にするというお初。ふたりはこの地で身を絶つのです。
このお話は、演歌歌手・島津亜矢さんの「曾根崎心中 お初」の楽曲にもなっています。
♪この身は蜆川の水底に沈んでも あなたのそばにいたい ♪願いかなわぬ夢ならば…
こんな台詞のなかにお初の想いが込められています。
※蜆川 曽根崎川の別名で、現在の堂島川から分かれた河川